楽器の選び方・その1


 日記からの転用もありますが、悪しからず…

 さて、生徒さんから「楽器を購入したいのですが、どんな楽器がおすすめですか?また、おすすめの楽器屋さんはありますか?」 と質問されることが多い。

 責任あるふりしてあまりよく知らないのに何かアドバイスする方がむしろ無責任と思っていたので、 楽器の購入については今まで全面的に生徒さんの自己判断でお願いしていました。

 ですが、せめてチェロ購入に関する一般論や、雰囲気・対応・チェロの品揃えに関する楽器店の情報くらいは 把握しておくべきだ… という訳で、都内近郊の弦楽器店を1軒1軒訪ねてチェロに関する勉強をすることにしました。
ここでは私なりに考えたこと、感じたことを書いてみたいと思います。

 今回は楽器の「○○製」について。

 まず手始めに、渋谷界隈の弦楽器店4軒と、山野楽器チェロフェアに行ってみました。
イタリア製、中国製、ドイツ製、ルーマニア製、チェコ製、ブルガリア製…また価格も20万円〜500万円くらいまで、 様々な楽器を弾かせていただきました。

 色々弾いてみて思ったことは、国によって確かに音色などに傾向があるということ。 しかし「絶対的に○○製が優れている」というものは存在しない気がしました。

 どこの材料を使っていてどういう風に誰が作っているかは重要かもしれませんが、どこ製か?というところを気にするのは違和感を感じる。 モノの値段やブランド(○○製とか)って、はっきり言って人を惑わす厄介者です。実際500万円の楽器を弾かせていただきましたが、私には そこまでの衝撃はなかった…

 そう考えるとやはり大事なのは、自分の耳を肥やすということと、自分なりの音に対するこだわり(好きな音色だとか、発音だとか) を育てることだと思います。それが満足する楽器にめぐり合える近道。他人は必ずしも「いい楽器だね」 と言ってくれる必要は無いと思います。自分にとって満足ができれば良いのではないでしょうか(プロの演奏家で無い限り)。

 逆に、自分のこだわりを育てることをしなければ、いくらお金を出そうが満足する楽器は手に入らない、とも言えます。
もし満足していたら、それは単に高級品を身につける満足感と一緒です…もちろんそれはそれで、その価値観を否定している訳では ないのですが、そういうブルジョワジーな方と私は別世界ということですね。

 まとめます。「○○製」というのは重要ではない。「誰が作ったか」が重要なことではありますが、しかし誰が作ったかが明確な楽器は 当たり前ですが値段が高いことが多い。では「誰が作ったか」がわからない量産楽器の中でどれを選べばいいか? それは自分の耳(こだわり)で選ぶしかない!従って「自分の耳を育てること」こそがいい楽器に出会える近道なのではないでしょうか?

 ※もちろん予算に余裕のある方は、「誰が作ったか」と「自分のこだわり」両方で選ぶことができます♪









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